収穫 〜 フラックスからリネンへ 〜
リネンと呼ばれる前の植物としてのフラックスはかわいい小さな花が咲き、夏の訪れを知らせたあと、次に収穫します。
リネンになるのは、フラックスの茎の部分です。
収穫されたフラックスの茎は余分なものを取り除くために、腐らせて、乾燥させます。
その後、茎に残っている要らないものを取り除き、梳いていきます。
ここからがタイヘンです。
人の手がリネンをつくる
以前、『リネン博物館』で教えて頂いたリネンにする方法。
太古の昔から人がリネンを作ってきたのだと実感します。
手間をかけてつくられるリネンです。
まず、乾燥したフラックスをたたいて残っている不要分を落とします。
次に柔らかくする為に木の台の上にフラックスの束を置いて、手に持った棒でさらにたたきます。
館長さんの実演でもひたすらたたいて見せて下さいました。
次に鉄の釘がいっぱい付いた洗濯板の様な道具に茎をバッシバッシと叩き付けて茎を梳いていきます。やっと繊維に近づきます。
釘の密度もいろいろとあり、さらに梳いていきます。
まだまだ不要な部分が出てきます。リネンと呼べるまで道はながいです。
この後もいろいろな道具を使ってリネンの糸にしていきます。
同じ畑で収穫されたフラックスでも毎年色が違うそうです。
その原因はその年の天候に関係しているのだとか。
雨が少なく、水はけの良い土地が適しているそうです。
どれもリネンの美しい亜麻色でした。
亜麻色のリネンらしくなって来ましたが、まだまだ工程は続きますが、
見慣れた道具が登場してきます。
『アルプスの少女ハイジ』のおばあさんがいつも使っていたあれです。
亜麻色をしたフラックスがやっと糸へと紡がれていきます。
現物を見ると、こんな風になってるんですね。
糸から生地へ
この写真の機織り機は100年くらい前のものだそう。
とっても原始的なつくりで、何とも素朴でどっしりとしたその存在感。
大切に育てたフラックスをリネンの生地にしてくれるとても大切で、家庭の頼れる存在だったのでしょう。
これだけの時間と人の手がかかったリネン生地は大切に使われ、日々の暮らしに欠かせないものだったに違いありません。
昔のリトアニアの人々の暮らしが感じられる小さなリネン博物館でした。
昔の生活用品が展示してあります。
この博物館の外観はというと
とってもかわいらしい風車小屋がリネン博物館になっています。
とてものどかで、博物館の横で牛とアヒルのお散歩に出会いました。
リトアニアの真ん中当りに位置する小さな町にあります。
で、館長さんから入館チケットを頂きました。
フラックスのデザインがかわいらしいチケットです。