どうしてリトアニアのリネンなの?とよく聞かれます。
なぜリトアニアにこだわったのか。
Faux & Cachet Inc. とリトアニアとリネンのおはなしをすこし。
もともとリネンが好きで、洋裁やパターンの学校に通い、自分の好きなモノを作って、リネンとつき合っていました。
そんな私を見て、主人が「こんな事が好きなら、自分で何かやってみたら?」
次の瞬間、『自分の好きなリネンを販売したい!!』と思っていました。
それもネップの多い、がっしりとした素朴なリネン。
そんなリネンの生まれた国はリトアニアでした。
リトアニアのリネンを販売したい、と思い始めたものの、どうしたらいいか分らずに、自分でいろいろ調べてもあまりリトアニアの情報もありません。
2006年、東京のリトアニア大使館に直接電話をしてみました。
リネンを販売したい事やいろいろと語った気がします。
(緊張であまり覚えていません。)
取り次いでくれた職員の人も迷惑だったと思います。突然、訳の分からない日本人が熱意だけ熱く語るのですから。
最後に、貿易は領事館の仕事だと教えられ、そんな事も分らずに大使館に電話していました。領事館の方にもとても親切に対応頂き、十数枚に及ぶリネンの工場リストをFAXしてくださいました。
頂いた工場リストを一件つづ連絡しては、返事のないや断られる日が続きました。
しかしそんな中、来日予定の工場さんが見つかったのです。
工場さんは穏やかな雰囲気のご夫婦とデザイナーであるお嬢さんでした。
取引出来る事になり、リトアニアリネンの販売へ一歩近づきました。
とにかく、自分の目と肌でリネンの出来る風景とリトアニアを見たくて、行ってみました。
情報の少ないリトアニアへ不安とワクワクを抱えて出発しました。
初めてのリトアニアはヨーロッパの雰囲気と古いヨーロッパを感じました。それは行った事は無いけどすこしだけロシアを思わせる静かな印象。
人々は一見すると、笑顔が無く思うのですが、とんでもない!道を尋ねたり、話しかけるととっても人懐っこい微笑みが返ってきます。
リトアニアはヨーロッパの北、エストニア・ラトビアを含むバルト三国と呼ばれる、とても小さな国です。
人口も300万人くらいと大阪市より少し多いくらい。
国の面積も北海道よりも少し小さいくらい。山が無くなだらかな稜線が続く緑と湖の多い国です。
再会した工場さんは本当にお母さんのように温かく迎えてくれます。仕事で来た事を忘れてしまいそうです。
行く度にホテルはもったいない、とバルト海に面したパランガにあるセカンドハウスに泊めて頂きます。
とってもステキなお家です。
さすが北欧圏、外にはサウナもあります。
朝、窓を開けてこんなに緑があり、マイナスイオンいっぱい。
やっぱり、家中リネンにあふれています。
でもリトアニアではどこの家庭も普通にリネンであふれているそうです。
なんだかホームステイに来たように、一緒に夕食を作ったり買い物に行ったりしながら、リトアニアの暗い時代の話やリネンの事など大切な思いを聞かせてもらいます。
実際に織機が並ぶ工場を訪れた時、私の惹かれたリネンの素朴さの理由がストンと腑に落ちました。
最新とは言えない織機がならび、激動の時代を乗り越えた建物がどっしりと佇み、中ではおばさんたちがおしゃべりしながら作業。ゆっくりと時間が流れ、表情豊かなリネンが作られていました。
窓から光が入り、織機に当たる光景は私の大好きなリトアニアの風景の一つです。
こちらは工場。
緑に囲まれた小さな工場さんです。
敷地内には池もあります。
春になると、お昼はここで食べるとのこと。
贅沢なお昼です。
なんと、敷地内でとれた野菜でお昼ごはんです。
とっても緑の風味が濃くて、美味しいのです!
トマトが最高です。
ハウスもあります。
そので取れた貴重なイチゴ。
また出来るからと、たった一つのイチゴを頂いてしまいました。
子供の頃に食べた甘酸っぱい懐かしいイチゴでした。
工場さんと会話を重ねて企画し、商品へのこだわりとていねいな作業で生み出されるリネン。
人々の思いの詰まった生地はリトアニアの空気をいっぱいにすって出来上がります。
穏やかな時間が流れるリトアニアから日本のくらしに寄り添うリネンを届けたい、その気持ちは強くなるばかりです。